■2025.5.26
VIA Labs、最新のEU EUP/ERP規制に準拠したUSB4ゲーミングドックリファレンスデザインを発表
USB4、SuperSpeed USB、USB PDコントローラおよびディスプレイコントローラのリーディングプロバイダであるVIA Labs, Inc.(VLI)は、最新のEU EUP/ERPエネルギー効率要件を満たすUSB4ゲーミングドックリファレンスデザインを発表しました。このリファレンスデザインは、USB-IFの認証を取得したUSB4デバイスコントローラのVL832、USB PD 3.2認証を取得したPower DeliveryコントローラのVL109、およびDisplayPort to HDMI 2.1プロトコルコンバータのVL605を搭載しています。
携帯モードとTVモードの両方に対応し大ヒットとなった任天堂Switchが2017年に発売されて以来、市場では様々な携帯型ゲーム機が登場しています。Valve社のSteam Deckは、PCゲームで素晴らしい能力を発揮し大きな注目を集めました。その後、ASUS ROG Ally、MSI CLAW、Lenovo Legion Go、Acer Nitro Blazeシリーズなどが発売され、携帯型ゲーム機市場は急速に拡大しています。
これらの携帯型ゲーム機は、パワフルで効率的なグラフィックプロセッサを搭載し、バッテリー駆動で様々なAAAタイトルを楽しむことができます。また、VRR(可変リフレッシュレート)技術によって、スクリーンティアリングを修正し入力遅延を減らすなど、映像の滑らかさと操作性を向上させることにより、より快適にゲームを楽しむことができます。さらに、これらの携帯型ゲーム機はUSB-C接続をサポートしているため、携帯モードからTVモードに切り替えてテレビやゲーミングモニターなどで没入感を味わいながらゲームを楽しむことができます。また、多くがUSB4またはThunderboltにも対応しているため、最大40Gbpsの高速でビデオ、オーディオ、USBデータ転送が可能です。
一方、電子製品に関する広範な環境規制の中で、EUのEUP(エネルギー使用製品)およびERP(エネルギー関連製品)規制も進んでいます。これらは、エネルギー消費製品の環境への影響低減、エネルギー効率改善を目的としています。更新された規則(EU)2023/826では、オフ、スタンバイ、ネットワークスタンバイの各モードにおける電子・電気機器の制御範囲を拡大し、より厳しい消費電力制限を課しています。2025年5月9日以降、対象製品は新しい要件に準拠しなければならず、スタンバイまたはオフモードでの消費電力は0.5ワットを超えてはいけません。2027年以降、この制限はさらに引き下げられ、0.3ワットとなります。
ゲーム機市場における新たなトレンドとEU 2027 EUP/ERP規制に対応するため、VLIは厳しいエネルギー効率基準を満たしながら新たなレベルの機能と性能を実現するUSB4ゲーミングドックリファレンスデザインを発表しました。このリファレンスデザインでは、USB PD 3.2をサポートするPDコントローラVL109を搭載し、スタンバイ時の超低電力消費を可能とします。また、USB4デバイスコントローラのVL832がUSB4 40Gbpsまたは従来のDisplayPort Alternate Modeを有効にするほか、USB PD EPRチャージスルーに対応し最大140Wの電力をホストに供給します。スタンバイモード(アップストリームポートがホストに接続されていない状態)では、ボードに搭載されている他の主要なコンポーネントの電力をインテリジェントに管理し、総消費電力をわずか10ミリワットにまで低減する事が出来ます。これは、2027 EUP/ERPスタンバイ/オフモード要件で義務付けられている300ミリワット制限を大幅に下回り、開発者が追加機能を実装するために非常に大きなマージンを提供できます。
ゲーム愛好者に対し、柔軟かつコスト効率に優れたディスプレイオプションを提供するため、このリファレンスデザインはHDMI 2.1ポートとDisplayPort Alternate ModeをサポートするUSB-Cポートを搭載しています。ビデオ出力を先着順に有効にすることで、デュアル出力に必要なDP MSTハブのコストを削減できます。ゲーム愛好者は、HDMIディスプレイや最近増えているUSB-Cポータブルモニターに簡単に接続できます。VL832のUSB4 DPトンネリング モードにより、どちらのインターフェースでも最大4K@240Hzの高リフレッシュレートを実現できます。
もう一つこのリファレンスデザインで注目して頂きたいのはVRR対応のHDMI 2.1プロトコルコンバータのVL605です。VL605は、VL832からのDisplayPort信号を、最大8K@60Hzまたは4K@240HzのHDMI 2.1出力に変換します。DisplayPortのアダプティブシンクをHDMI 2.1経由でシームレスに動作するように変換することで、VRR機能を保持します。これにより、AMD、Intel、NVIDIA G-SYNC互換プラットフォーム間でシームレスなVRR機能が有効になります。VL605はAMD のFreeSync検証テストに合格しています。そのOUI(Organizationally Unique Identifier)はAMDの最新のGPUドライバに組み込まれているため、互換性のあるAMDプラットフォームでもFreeSync Premium Pro機能を利用することができます。さらに、LPCMや様々な圧縮オーディオフォーマットにも対応します。DSCデコーダを内蔵し、最新のDisplayPort 2.1規格に準拠し、信号ソースの制御機能を強化する自律モードとソース制御モードの両方をサポートします。さらに、悪意のあるファームウェア攻撃から守るため、内蔵のECDSA認証による安全なファームウェアアップデートも可能にします。
VLIのProduct Management Division DirectorであるHuineng Chang氏は、ゲーム機市場におけるVL605の可能性について次のように述べています。「高性能な携帯型ゲーム機が市場に投入される中、Apple、Qualcomm、MediaTekのモバイル向けチップセットは、ハードウェアベースのレイトレーシングをサポートしています。これは、ゲーム愛好者が従来の据え置き型ゲーム機にとらわれることなく、携帯型ゲーム機でAAAタイトルを楽しめるようになっていることを意味します。一方、今日のTVの多くは高リフレッシュレートとゲームモードをサポートしています。加えてポータブルモニターも広く普及するようになりました。こうしたトレンドに対応するため、VLIはこのリファレンスデザインをUSBハブおよびUSB PDコントローラの製品群とともに発表しました。VL605はUSB PD充電をサポートするUSB-C多機能ドックに対応し、2027 EUP/ERPエネルギー規制に準拠する事が可能です。そしてプラットフォーム間でのVRRサポートによって、携帯型ゲーム機をハイエンドゲーム機に変身させ、従来の据え置き型ゲーム機に匹敵するゲーム体験を提供します。」
VIA Labs VL605の詳細
VIA Labs VL832の詳細
■2024.5.28
VIA Labs、USB PD EPRをサポートするVL605 USB-C to HDMI 2.1プロトコルコンバータの発売を発表
台北、2024年5月28日 - USB4、SuperSpeed USB、USB Power Deliveryコントローラ、そしてディスプレイコントローラの主要サプライヤーであるVIA Labs, Inc.(VLI)は本日、VIA Labs VL605 USB-C® to HDMI 2.1プロトコルコンバータの量産開始と即日出荷を発表しました。VL605プロトコルコンバータは、拡張電力範囲(EPR)をサポートするUSB Power Delivery 3.1およびHDMI 2.1 FRLの認証をUSB-IFから取得し、現在TID: 10462としてUSB-IFインテグレータリストに掲載されています。
VIA Lab VL605は、最新のディスプレイ機能をサポートし、高度に統合された低消費電力設計を持つ革新的なシングルチップUSB-C to HDMI 2.1プロトコルコンバータです。USB-Cビデオドングルおよびマルチファンクションドック向けに最適化されており、EPRが有効な場合に最大240Wでパススルー充電をサポートする2ポートUSB PD 3.1コントローラを統合しています。VL605はシングルチップでDisplayPort入力をHDMI 2.1に変換し、最大8K@60Hzまたは4K@240Hzの出力が可能です。また、同時に接続されたホストの充電も行えます。VL605はHDRをサポートし、DisplayPort規格のAdaptive SyncおよびAMDのFreeSync技術と互換性があり、これらをHDMI 2.1のVRR(可変リフレッシュレート)にシームレスに変換します。VL605を組み込んだ製品は、より高品質で、かつスムーズなビジュアルを提供し、周辺機器との接続性を拡張しながら、より高速な充電を楽しむことができるため、ゲーム体験を向上させます。
多くの家庭用ゲームコンソールやコンピュータホストがますますHDMI 2.1をサポートする中で、より高い解像度やリフレッシュレート、VRR、HDR対応などHDMI 2.1の強化機能を備えた多くのディスプレイが登場しています。HDMI 2.1は最大48Gbpsの帯域幅を提供し、HDMI 2.0の18Gbpsに比べて劇的な改善をもたらします。これにより、HDMI 2.1はDisplay Stream Compression(DSC)を使用して、120Hz、144Hz、さらには最大240Hzの高リフレッシュレートの4Kを処理することが可能になります。HDMI 2.1のVRR機能は、ゲームの状況に応じてリフレッシュレートを動的に調整することで、滑らかさを向上させ、スクリーンティアリングや入力遅延を最小限に抑えます。
VL605に統合されたDisplayPortレシーバーは、HBR3データレートをサポートし、4レーンモードで最大32.4Gbpsに対応しています。HDMIソースはFRLモードとTMDSモードの両方をサポートしており、それぞれ最大帯域幅は48Gbpsと18Gbpsです。また、RGBおよびYCbCrのカラーフォーマットをサポートし、192kHzで最大8チャンネルのLPCMサラウンドサウンドオーディオに加え、さまざまな圧縮オーディオフォーマットにも対応しています。VL605はDSCデコーダーを内蔵しており、最新のDisplayPort 2.1仕様で定義されている自律モードおよびソース制御モードをサポートし、制御機能を強化した信号ソースを提供します。さらに、VL605は内蔵のセキュリティエンジンを活用してECDSA検証をサポートし、安全なファームウェアアップデートを実行し、悪意のあるファームウェアコード攻撃を回避することができます。
VIA LabsのPMディレクターであるWayne Chang氏は、VL605の適応性の高さを次のように強調しています。「DisplayPortとHDMIは業界をリードするビデオ規格であり、USB-Cエコシステムと密接に連携しています。VL605は、VLIのUSBハブコントローラと組み合わせることで、さまざまなUSB速度でのUSB PDチャージスルー機能を備えた多数のUSB-Cマルチファンクションドックアプリケーションを作成することができ、幅広い製品を可能にします。VL605の機能に対する期待値は今後ますます高まっていくものと考えます。Apple、Qualcomm、MediaTekの最新のモバイル向けチップにはハードウェアレイトレーシング機能が搭載されており、AAAゲームがモバイルプラットフォームに適応されつつあります。VL605のデュアルUSB PDポートとHDMI 2.1出力機能により、スマートフォンは携帯型ゲーム機として機能するだけでなく、自宅の据置型ゲーム機にシームレスに移行することができます。4K/8Kの大型テレビ画面に投影しながらスマートフォンの充電を可能にするなど、新たなゲーム体験をサポートします。」
VIA Labs VL605の入手可能時期
VL605 USB-C - HDMI 2.1プロトコルコンバータは現在入手可能で、数量限定で出荷中です。
VIA Labs 展示会情報
Computex Taipei 2024
開催日:2024年6月4日~7日
場所:南港展覧館1ホール、台湾・台北
ブース:VIA Labs, Inc. USB-IFコミュニティにて(N0607a)
■2023.12.21